BUSINESS DESCRIPTION
当社は、国産初の精密人造研磨材メーカーとして創業し、蓄積されたノウハウと研究開発力を武器に、電子部品や光学レンズ、自動車のボディなどの表面加工に使用される精密研磨材のパイオニアとして成長してきました。
今日では多様な化学作用を活用することで、当社の精密研磨材は分子レベルでの表面加工をも実現できるまでに至り、スマートフォンなどに搭載される半導体デバイスの製造に不可欠な技術となっています。主力の半導体シリコンウェハー向け研磨材では、高平坦化や生産性向上が求められているラッピング材と、原子レベルの平滑性を実現する最終仕上げ用ポリシング材で、それぞれ約9割の世界シェアを有し、スマートフォン、医療機器、人工知能や自動運転など、最先端分野の産業発展を支え、化学の力で世界中の快適な暮らしに貢献しています。
高い耐熱性が要求されるエンジン内部のタービンブレードへ耐熱及び熱遮へいを目的として溶射材が使われています。また、着陸時に高い負荷がかかる支持輪機構内部や、翼の摺動部材であるフラップレールには、耐摩耗性の高い溶射材が使われています。世界の航空機産業では、より少ない燃料で航続距離を長くすることを目標に、航空機の軽量化、省エネルギー化を進めており、特に現在は高い耐熱性が要求されるために重い合金が使われているエンジンに対し、熱に強く軽いセラミック複合材料への置き換えが期待されています。当社では強みを持つSiC微粒子の製造技術を活かし、次世代航空機エンジン用セラミック複合材料の開発にも注力しています。
商業施設などで急速に普及する電子決済や電子マネーは私たちの生活に欠かせないものになりつつあります。手軽かつスピーディーな支払いを実現する電子決済システムには、貨幣データの暗号化・電子署名、金融機関のオンライン化などを支える電子技術や通信技術、端末をかざすだけで通信・認証ができ、支払いが完了する近距離無線通信技術が不可欠であり、これら技術を支える半導体デバイスや通信用の電子部品の製造にフジミの研磨材が欠かせないものとなっています。また、内視鏡の微細なレンズやCTなど病院で使用されている先端医療機器の部品の製造にもフジミの研磨材が用いられ、さらには画像処理システムの性能向上による癌の早期発見など、半導体の高性能化による医療技術の発展にも貢献しています。
照明器具、信号機や様々なディスプレイに用いられるLEDの発光基板にはサファイアが用いられています。サファイアは非常に硬く加工が難しい硬脆材であり、最終工程である研磨工程では鏡面化が求められます。粒子径の均一性・分散性に優れたフジミの研磨材を使用することで、効率よく、高品質な鏡面を実現。LEDライトの小型・薄型化、高寿命化、省エネ化に貢献します。また、加工時間の短縮により製造コストが低下。環境に優しいLEDライトの普及にも貢献しています。
デジタルTVのディスプレイ、エアコンやオーブンレンジ等の家電製品内にあるICチップ、デジタルカメラの光学レンズや画像センサーなど、家庭内の様々な製品の製造工程でフジミの製品が使われています。今後は、インターネットと常時接続されたIoT家電やAI(人工知能)を搭載したスマート家電など、ICチップや半導体を利用した製品がますます普及すると共に、低炭素・脱炭素社会の実現に向けて、自然エネルギーや再生可能エネルギーの活用を最適化する次世代送電網(スマートグリッド)やHEMS(Home Energy Management System)の普及が進むと予測されます。エネルギー管理に必要なセンサーや低消費電力のワイヤレスネットワークモジュール等にもフジミの技術が貢献できる可能性があり、フジミの技術が生活の一部となり、人々が快適に暮らせる社会に貢献します。
エンジン、シャフト、ボディー、ギア、ベアリングなどの駆動部品や、樹脂、金属部品、ボディーなど自動車のあらゆる部品の研磨加工にフジミの製品が用いられます。また、放熱性や耐摩耗性が要求されるブレーキパッドやエンジンのシリンダー内壁等にも充填材としてフジミのパウダー製品が利用されています。さらには、コネクテッドカーや自動運転車などの次世代自動車といった世界中が注目する最新技術には半導体の性能・品質向上が不可欠であり、自動車産業の発展にもフジミの技術・製品が貢献しています。
スマートフォンやIoT製品に組み込まれている半導体デバイス(CPU、メモリ、カメラ用画像センサーなど)の製造にはナノレベルの表面加工が必要であり、フジミの研磨材が不可欠です。また、動画配信サービスやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などのデータセンターで使用される大量のデータを保管するための記録媒体や、超高速・安定的にデータを送受信する際に必要となる通信用の電子部品の製造にも研磨材が使用されています。
2018年以降、世界各地で順次試験及びサービス運用が開始されている5G(第5世代移動通信システム)はもちろん、2030年の実用化を目標に開発が進む次世代の6G(第6世代移動通信システム)においてもフジミの技術が貢献できる可能性があり、今後さらに進化するスマートフォンや、あらゆるモノがインターネットでつながるIoT製品など、私たちの暮らしをより快適にする技術革新にフジミの技術・製品が貢献しています。