COMPANY

事業内容

BUSINESS DESCRIPTION

精密研磨材の
トップメーカー

当社は、国産初の精密人造研磨材メーカーとして創業し、蓄積されたノウハウと研究開発力を武器に、電子部品や光学レンズ、自動車のボディなどの表面加工に使用される精密研磨材のパイオニアとして成長してきました。
今日では多様な化学作用を活用することで、当社の精密研磨材は分子レベルでの表面加工をも実現できるまでに至り、スマートフォンなどに搭載される半導体デバイスの製造に不可欠な技術となっています。主力の半導体シリコンウェハー向け研磨材では、高平坦化や生産性向上が求められているラッピング材と、原子レベルの平滑性を実現する最終仕上げ用ポリシング材で、それぞれ約9割の世界シェアを有し、スマートフォン、医療機器、人工知能や自動運転など、最先端分野の産業発展を支え、化学の力で世界中の快適な暮らしに貢献しています。

POWDER & SURFACE
精密研磨材のリーディングカンパニーとして業界を牽引してきた当社では、その歴史と実績に安住することなく、培ってきた微粒子製造と表面創成の技術を基盤に、「パウダー&サーフェスカンパニー」への飛躍を目指して新規事業にも積極的に挑戦し、多様な分野のお客様へ世界最高技術を提供すべく新技術・新製品の研究開発に取り組んでいます。

business field 事業領域

  • シリコン事業

  • CMP事業

  • ディスク事業

  • 機能材事業

  • 溶射材事業

  • 新規事業

  • 先端技術研究所

 

  • シリコン事業
    スマートフォンなどに搭載される半導体デバイスの基板となるシリコンウェハーの表面加工に用いられる研磨材を開発・製造・販売する事業です。AIやIoTなどデジタル技術の進展により、半導体デバイスの小型化、高性能化に対する社会的ニーズはますます高まっています。そこで求められるのが多様な化学作用を活用することで、ナノメートルレベルの超平坦加工を実現する当社の精密研磨材です。
    シリコンウェハーの製造工程である単結晶シリコンの切断から最終仕上げ研磨まであらゆる表面加工プロセスで求められる高品質な製品・サービスを幅広く揃え、特に高平坦化や生産性向上が求められているラッピング材と、原子レベルの平滑性を実現する最終仕上げ用ポリシング材ではそれぞれ世界シェア約9割を占めています。
    さらには、近年自動車・電装分野や電鉄車両分野、エネルギー分野向けを中心に、次世代パワーデバイスとして注目されている、SiC やGaN などの難加工基板用研磨材の研究開発も進めており、高速・高面質となる新たな製品・プロセスの開発に取り組んでいます。
  • CMP事業
    スマートフォンなどに搭載されるCPUやメモリといった半導体デバイスの製造工程で用いられるCMP(※)用研磨材を開発・製造・販売する事業です。 CMP工程では、金属や酸化膜など、特性の異なる異種素材から成る表面をナノレベルで平坦化する必要があり、当社では表面を形成する各素材、砥粒、薬液の界面における化学的・物理的作用を最適化した組成の研磨材を開発しています。 また、最先端のデジタル製品の技術的な進化を支える半導体デバイスの開発現場では、高性能化、高密度化、高集積化、低消費電力化など、新しい技術開発が目覚ましいスピードで進んでいます。そのため、当社では、お客様の製造・開発拠点に近い、日本、米国、台湾に製造・開発拠点を設け、最先端の実験・評価設備を導入すると共に、お客様とより密接な関係を構築し、お客様のロードマップ(技術開発の計画や予測)に沿った新たな研磨対象となる材料や構造に適用できる新製品を開発し、お客様の多様化、高度化するニーズにお応えしています。 なお、現在この分野において当社は、トランジスタ素子形成工程で世界シェア56%、多層配線工程で同13%を占めています。
    ※chemical mechanical planarization またはchemical mechanical polishingの略。
     薬液の化学的作用と砥粒の機械的研磨作用により半導体デバイスの多層配線を平坦化する技術。
  • ディスク事業
    大量のデータの蓄積に適した記録媒体(※)であるハードディスク基板の表面加工に用いられる研磨材を開発・製造・販売する事業です。動画配信・共有サービスやネットワークゲーム、IoT、AI(人工知能)、自動運転など、ますます増大していく膨大なデジタルデータに対応するために、次世代ハードディスクの開発が加速されています。ハードディスクは高速回転するディスク基板上を磁気ヘッドが10nm以下の間隔で浮上しながら、磁気信号を読み書きしており、次世代ハードディスクでは、ディスク基板上のナノメートルサイズの異物や凹凸、欠陥を低減することが求められています。当社では、お客様のニーズを汲み取り、蓄積された知見と、化学・物理の科学的理論を活用し、新製品の開発を推進しています。またお客様の生産拠点が集中するマレーシアに製造拠点を置くとともに、現地にも技術スタッフを配置し、技術サポートを実施することでお客様との信頼関係を構築しています。
    ※近年、SSD(半導体素子メモリを使った記憶媒体)の技術発展により、特にPC等一般消費者向けの記憶媒体がハードディスクからSSDに置き換わっています。一方でハードディスクとSSDでは、1ドライブあたりの保存できるデータ量に大きな差があり、特に大量のデータの蓄積が必要な分野ではハードディスクの需要がますます拡大しています。
    ○大量のデータの蓄積が必要とされる技術・サービス例
    ・高画質な動画を配信・共有するサービスやネットワークゲームなどのサーバー
    ・IoT、AI(人工知能)、自動運転などで使用されるビッグデータ
    ・4K8K映像や、画像データ等を保存するホームサーバー
    ・高画質画像データ活用した医療機器
    ・都市部を中心としたセキュリティニーズに対応するための監視カメラシステム
    ・スマートシティ、スマートファクトリーなどのデータセンター
  • 機能材事業
    電子部品、自動車、レンズ等に使用される精密砥石、研磨布紙、およびラップ・ポリッシュ・ブラスト等の一般工業用に使用される研磨材や耐摩耗性、分散性、熱伝導性を上げるためのフィラー材(充填材)等の様々な用途に使用される機能性パウダーを開発・製造・販売する事業です。サブミクロンサイズでの粒子形状・粒度分布制御を始めとするパウダー技術を活かし、プラスチックレンズ、ガラスなどの多様な表面加工に適した研磨材、耐摩耗性部品や砥石のフィラー材などに使用される焼結材、超微粒子などの開発に取り組んでいます。また、国内外の多様な業種のお客様を対象に、機能性パウダーの新たな用途開拓を目指し、技術開発力とマーケティング機能を強化、市場探索を進めています。
    ○機能性パウダーの既存の用途例
    ・自動車、二輪車向けブレーキパッド用材料
    ・高圧電線向け絶縁用材料
    ・内視鏡のレンズ用研磨材
    ・腕時計のカバーガラスや文字盤用の研磨材
    ・石油化学・石油精製・ガス化学・公害防止などで使用される触媒用担体
    ・その他研磨材用途(ガラス、水晶、プラスチックレンズ、金属の研磨)
    ・その他材料用途(研削砥石、塗料やトナーの添加剤、めっき材料)
  • 溶射材事業
    鉄鋼、航空機および液晶・半導体製造装置等さまざまな製品や製造設備の長寿命化、高機能化を支え、環境にも優しい機能性被膜技術として使用される溶射用途向けに、主にサーメット(金属とセラミックスの複合材料)、セラミックスなどの粉末である溶射材を製造販売する事業です。より緻密で品質の良い機能性被膜を形成するには、溶射材の粒子が球形で、粒経が揃っていることが重要であり、研磨材で培った当社のパウダーテクノロジーが活かされています。
    省資源化、環境負荷低減が求められる現代社会において、航空機、液晶・半導体、一般産業機械など多岐にわたる分野で高機能皮膜への期待が高まっています。これら市場の期待に応えるべく、金属、セラミックス、樹脂等の異素材による複合造粒技術やスラリー化技術などを活かした高機能な溶射材の開発を推進するとともに、溶射材の用途にとらわれず、独自の複合造粒技術を活かし、緻密で高硬度な超硬粉末を積層造形する新たな3Dプリンター用材料の開発、及び積層造型技術に関する研究活動を加速させています。
    ○溶射材事業が推進する新規市場例
    ・医療、抗菌、2次電池、ナノセルロース等の先端技術市場
    ・金属3Dプリンター関連市場
  • 新規事業(表面創生・新研磨領域)
    当社新規事業本部では、中長期目標として「あらゆる材料・形状に対する表面創成」を目指し、既存事業以外の、多種多様な材料(金属、樹脂、セラミックス、複合材料など)や形状(2次元、3次元の複雑形状など)に対応した製品とサービスの開発、販売を推進しています。世界のさまざまな業界のお客様から寄せられる、新たな、そして難易度の高い表面創成の要望・相談にお応えすべく、当社の強みである研磨材を軸に、研磨材のみならず用途に応じた周辺消耗材や装置、加工プロセスまでを含めたトータルソリューションの提供を目指しています。
    また、表面創成をキーに短中期的テーマを探索し、特に「工業デザイン・外装分野」、「モバイル・ディスプレイ分野」、「難加工材分野(加工が難しい新素材、硬脆材、合金、樹脂、3D形状等)」といった領域をターゲットとして、お客様への開発提案、マーケティング活動を積極的に推進しています。
  • 先端技術研究所・新規事業(非研磨・パウダー&サーフェス領域)
    当社が企業ビジョン(事業アイデンティティー)に掲げる「パウダー&サーフェス分野で世界最高の技術を提供する」を実現し、将来にわたり継続的に社会へ貢献するためには、基盤技術の更なる深耕・拡張と、それら技術を活かした新規事業の創出が不可欠であり、これらを実行するために、2015年4月に先端技術研究所を設立しました。先端技術研究所では、1)基幹技術開発(基盤技術の更なる深耕・拡張、及び新規技術の開発)、2)開発企画(新規事業機会の創出と育成)、3)事業企画(M&A、ベンチャー企業投資の実行と推進)の3つの活動を主軸に、当社内のみならず学会、大学、公的な研究機関などとの連携活動も積極的に取り入れ、5年先、10年先を見据えた“パウダー&サーフェス” 分野での新規事業に結びつくテーマ探索と新規技術開発に取り組んでいます。
    現在は非半導体・非研磨分野における複数のテーマで外部との共同開発も進めており、産学官連携での大きなプロジェクトにも挑戦しています。さらに、海外新規市場の開拓を目指した米国子会社との連携による積極的なマーケティング活動の展開や、5年先、10年先の事業に必要な技術を持つベンチャー企業やシナジー効果を見込める企業とのアライアンス等の手法で外部技術を取り込むことも視野に入れた活動を行っております。これらの活動をさらに強化・推進し5年後、10年後の当社の柱となるような新規技術、新規事業創出の実現を目指します。
    ○先端技術研究所が推進する新規開発テーマ例
    ・次世代航空機エンジン用SiC/SiC 複合材料の実用化に向けた研究
     (京都大学エネルギー理工学研究所檜木達也准教授との共同研究)
    ・新規機能性微粒子の合成研究
     (高白色度、光触媒不活性で板状形状を有した、新しいリン酸チタン粒子の合成など)

暮らしの中の
フジミ

世界中の人々が日常的に使用するスマートフォンや、自動運転技術の確立が進む自動車、更にはあらゆる産業分野でその活用が進むAI・IoT製品など、私たちの身の回りにあるさまざまな製品にフジミの技術が使用されており、人々の快適な暮らしを支えています。