物理実験室(昭和37年当時)

COMPANY

フジミの歴史

History

About

国内初の精密人造研磨材メーカーとして創業したフジミは、創業以来70年の歴史で培った技術を活かし、パウダー&サーフェス分野でさらなる研究開発を推進し、未来に向けて成長を続けています。

社訓

国内初の精密人造研磨材メーカー
1950〜
当社の歴史は、創業者の越山照次が1950年、愛知県名古屋市に不二見研磨材工業所を設立したことに始まります。光学機器メーカーから依頼を受け、照準器用レンズなどの光学ガラス製品を磨く研磨材の研究開発に着手し、商品化に成功すると国内初となる精密人造研磨材の生産を開始しました。1953年に法人化し、不二見研磨材工業株式会社を設立してからは、光学機器メーカー以外の業界への展開を見据えた研磨材の品質向上に努め、当時精密機械の精度向上のために、粒度が細く高品質な研削砥石が求められていた砥石業界へも販路を広げていきました。

≪1950年
不二見研磨材工業所設立(創業)≫

当時の研磨材は海外製品のみで、国内では生産されていませんでした。
当社は、国内初となる研磨材の生産に成功し、製品を初出荷した1950年10月21日を創業日としています。
半導体分野への進出と
国産初の研磨スラリー開発
1957〜
1957年、世界初のトランジスタラジオの量産化に成功していた電気機器メーカーより依頼を受け、トランジスタに使われるゲルマニウムウェハー(半導体基板)の精密加工に適した研磨材FOの供給を開始しました。
これが現在においても当社の主力事業である半導体業界へ進出するきっかけになりました。その後、半導体基板がゲルマニウムウェハーからシリコンウェハーに移り変わる中、従来の研磨材ではシリコンウェハーの加工時に、加工変質層の発生や原子レベルでの金属不純物の混入などの問題が生じていました。当社では、シリコンウェハーの加工に最適な砥粒と、研磨を促進・補助する化学薬品を組み合せた、研磨スラリーの研究開発に着手し、1967年に国産初の研磨スラリーとして、シリコンウェハー用研磨材GLANZOXの開発・商品化に成功しました。その後、研磨性能の更なる向上に向けた研究と新製品開発を重ね、現在に至るまでシリコンウェハー用研磨材において他を圧倒する高い世界シェアを獲得・維持しています。

≪国産初の研磨スラリー≫

研磨スラリーとは、物理的な加工材である砥粒と、研磨を促進・補助する化学薬品を組み合せた混濁液のことであり、それまでの砥粒のみの研磨方法と比較して、高品質、高効率性が期待されるものでした。当時、研磨スラリー開発では海外メーカーが先行していましたが、「日本の技術を高め、世界にアピールしたい」という当時の技術者達の想いから、商品化に挑戦し、実現されました。
海外への進出
米国およびマレーシアでの拠点設立
1969〜
1969年にフジミとして初の海外視察となる米国視察以降、「いつかは米国市場へ製品を展開していきたい」という夢を持ち、継続的に米国を訪問し、ビジネスチャンスを窺っていました。1984年に米国での事業展開を充実させるため、米国イリノイ州に販売拠点を設立、その頃より「日本一から世界一の研磨材メーカーになる」という大きな目標を掲げ、海外の有力メーカーとの競争に打ち勝つための競争力を磨いていきました。1988年に世界最大の半導体メーカーの拠点があるオレゴン州に製造拠点を設立するとともに開発・販売機能を整備していきました。これが現在の半導体CMP分野の事業拡大の礎にもなっています。また、1995年にはハードディスクメーカーが集積するマレーシアに、フジミマイクロテクノロジーを設立し、製造・販売機能を整備、ハードディスク用研磨材市場での地位を確固たるものとしています。

≪米国ウィルソンビル図書館への図書寄贈≫

製造拠点を設立した米国オレゴン州ウィルソンビルでは、当時、日本がどのような国かを知らない人も多くいました。「フジミという会社、その前にまずは日本のことを知ってもらいたい」そのような思いから、日本の童話・雑誌・写真集など、約1,500冊の書籍を現地の図書館へ寄贈しました。日本では書籍の寄贈に協力した従業員の家族が米国への関心を高め、米国では日本から送られた本が多くの人々に喜ばれ、日本と米国の距離が近づいたように感じられました。グローバル化には、技術交流のみならず、人と人の心の交流が大切であることに気づかされました。
半導体CMP分野への参入
1995〜
半導体メーカー各社が半導体製造にCMPプロセスを採用しはじめた1990年代前半に、当社は半導体デバイス用CMP研磨材の研究開発に着手し、1995年にPLANERLITEを製品化しました。販売開始後すぐに売上は伸びなかったものの、徐々にお客様から支持を得て日本・米国・アジア各国の半導体メーカーで採用されていきました。2000年には岐阜県各務原市に半導体関連のお客様と同レベルの最新設備を導入した研究開発センターを稼働させ、当社の米国子会社と連携することで、製品開発を加速しました。そして、2002年に世界最大手の半導体メーカーである米国インテル社からPQS賞(※)を受賞、2004年には同社より最高位のSCQI賞(※)を受賞します。これらの受賞により、半導体業界における当社の認知度が向上し、CMP事業の拡大につながっていきました。その後、半導体産業の中心がアジアへ移行する中で、2005年から2008年にかけ台湾・中国・韓国に駐在事務所を開設し、さらには、2011年に台湾に開発・製造・販売機能を備えたフジミ台湾を設立、2013年には韓国での販売サポートのためフジミ韓国を設立する等、海外拠点をお客様の近くに戦略的に設置することで、お客様のニーズにより早く、的確に対応することが可能になりました。その結果、最先端半導体分野で当社製品が着実に採用されるようになり、2023年3月期には、最高売上高である583億円を記録しました。

≪米国インテル社よりの表彰受賞≫

米国インテル社より、当社の継続的な取り組みを評価頂き、2014年〜2020年までの7年間連続で表彰を受賞しております。(SCQI賞2016、2019及びPQS賞2014、2015、2017、2018、2020) ※SCQI(サプライヤー・コンテニュアンス・クオリティー・インプルーブメント)賞
インテル社が最も傑出したサプライヤーを表彰するもので、品質、コスト、供給体制、技術力、カスタマー・サービス、労働及び倫理要件、環境面でのサスティナビリティー(持続可能性)において、極めて高い水準を達成したサプライヤーに授与される。
※PQS(プリファード・クオリティー・サプライヤー)賞
インテル社がその絶えまない卓越性への追求と確固としたプロフェッショナリズムを備えた事業活動を行うサプライヤーを表彰するもの。
新規事業分野への挑戦、
研磨材メーカーから
パウダー&サーフェスカンパニーへ
2000〜
当社では、研磨材分野で培った技術を基盤に、新たな事業分野に積極的にチャレンジしてきました。2000年に立ち上げた溶射材事業は、鉄鋼、航空機部品および液晶・半導体製造装置等さまざまな製品や製造設備の長寿命化、高機能化を支える事業として成長し、さらに溶射材で培った技術は、現在金属3Dプリンター向け超硬材料の開発など、次なる新規テーマへのチャレンジにも引き継がれています。また、2012年には非半導体分野における新規事業の創出・育成を目的に新規事業創出プロジェクトが展開され、その活動から生まれた電子機器の金属筐体向け製品は、リーマン・ショック後の半導体分野の回復が遅れた厳しい時期において、収益に大きく貢献しました。このビジネスで得られた経験を活かし、現在ではさまざまな業界のお客様から寄せられる新たな表面創成ニーズに対し、研磨材のみならず研磨装置や周辺消耗材の提案・提供を含めたトータルソリューションで応えています。2015年には、当社の基盤技術強化と5年先、10年先を見据えた新規事業機会の探索を目的に先端技術研究所を設立しました。現在では、研磨材メーカーからパウダー&サーフェスカンパニーへの飛躍を目指し、展示会や学会、大学、公的な研究機関等との連携や共同開発を活発化し、新規事業テーマ探索に努めるとともに、将来の事業に必要な技術を持つベンチャー企業や、シナジー効果を見込める企業とのアライアンス等の手法で外部技術を取り込むことも視野に入れ、新規技術、新規事業創出の実現に向けた活動を推進しています。
パウダー&サーフェス分野で世界最高技術を提供し、人々が快適に暮らせる未来の創造に貢献します。
「目指したい姿」へFUTURE