TALK ABOUT DIFFERENT FIELD
フジミの研究開発職では、学生時代の専門分野を限定せず、基礎的な化学の知識を持つ方を幅広く受入れています。多様な専門分野の方が集まることで、前例に囚われず、柔軟な視点で、より良いものを生み出せると考えているからです。当社既存事業分野に関連の深い、コロイド・界面化学、高分子化学、粉体工学、一見関係の薄い有機合成化学、物性・量子化学、さらには、薬学、生物・資源環境工学といった当社事業と接点の少ない専門分野出身者も多数活躍しています。大学時代に異なる専門分野であった4名に、多様な専門分野の社員がいるフジミの魅力を語ってもらいました。
※所属は取材当時
私が所属するディスク開発部 ディスク開発課では、ハードディスク基板向けの研磨材を開発しています。その中でも私は、製品そのものの開発ではなく、製品の開発力に繋がる要素技術として、研磨材の組成物である添加剤の機能を解明する基礎研究を担当しています。
私はシリコン開発部 シリコン開発課で、半導体の基板材料であるシリコンウェハー用の、特に最終仕上げ工程で用いられる研磨材の開発を行っています。お客様へ開発した試作品を提供し、評価頂いたものに対して、さらに組成を改善して、提案をしたり、何故性能が向上したのかを検証することで、技術を蓄積し、次の製品の開発にも活かしています。
新規事業開発部 新規事業開発第二課では、当社の新規事業として、既存事業以外の全く新しい表面創成をテーマに活動しており、その中で私は、自動車用のコンパウンド研磨材の開発を担っています。砥粒技術を始めとした既存事業で培った技術をベースとして、今までにないような高能率かつ高面品質が達成できる製品の開発に注力しています。
私が所属する先端技術研究所 基幹技術開発課は、フジミが創業以来培ってきたコア技術を活かし、基盤技術の更なる深耕・拡張と、5年後10年後の柱となるような、新規技術の開発を目指しています。その中で私は、展示会や学会での新たな研究テーマの探索から、市場調査、ラボでの実験、社内外の関係者と連携した量産化など、モノづくりの多様なプロセスに関わっています。
私は大学時代、木材に含まれる成分の一つであるリグニンに関する研究をしていました。もちろん、現在の業務とは分野が異なりますが、学会発表や論文の書き方、文献の調べ方、実験計画の立て方、課題への対処や、指導教授を始め、周囲の方々の協力を得ながら研究を前へ進めた経験など、研究室で経験した多くのことが、現在もとても役立っていると感じます。皆さんはいかがでしょうか。
私も太陽電池の構成やプロセスに関する研究で、現在の業務とはほとんど関係はありませんが、世の中に先行研究や先行論文がほとんどない中で、いかに新しいものを生み出すかという、方法論や考え方は、現在の仕事にも通じるものがあります。また、Y.Uさんと同様、研究を進める上での目的の捉え方、計画や資料作成の経験など、大学の研究室で学んだことは多くあり、それらが現在の仕事にも役立っていると感じています。
私は、大学時代に油水界面を研究テーマに選んでいました。界面化学はフジミの技術分野と近しいため、入社当初は、基礎的な化学と大学院の専門で学んだ知識も活用して開発活動を行っていました。しかし、より良い製品を生み出すためには大学院の専門知識以外に、高分子化学、流体力学、材料力学など、さらに幅広い分野の知識を取り入れる必要があると感じ、文献調査や学会、セミナー等へも積極的に参加しました。現在は大学院の専門知識と、入社後に新たに学んだこととを組合せることで、従来の性能を超える製品の開発に取り組んでいます。
私は、大学時代は医薬品候補化合物として、フッ素化合物の合成をテーマに研究を行っていました。現在の業務には直接関係していませんが、研磨材の組成設計をする上で、活かされる知識は多くあると感じます。例えば、有機合成では様々な分子の反応性を学びますが、「添加剤の化学構造から、この官能基が砥粒表面に近づくと、こういう反応が起こるだろう」等、研磨材の組成の安定性や添加剤の反応性を理解することに役立っています。
皆さんのお話を聞いていて、多様な分野の人が集まっているのはフジミの特徴なんだと改めて感じました。様々な分野の知識があるのは、研究開発でも活かされているのではないでしょうか。
確かに、専門分野が異なる人と話をすると、多様な角度から意見が得られるので、新しい発想にもつながりやすいと感じます。また、大学時代の専門以外に必要な知識を吸収する機会も多く、私も仕事の中で高分子化学や流体力学などを学んできましたが、それらが知識の厚みになっていると感じます。
仕事の中で新たな知識を身に付ける機会は多いですね。フジミはOJTや研修などもしっかりしていると思います。自分が開発を進めるために興味を持った分野の社外セミナーへの参加も可能ですし、私も界面化学や電気化学、分析化学などの知識は入社後に仕事を通じて身につけました。
セミナーで個人が学んだことは、社内で共有できる仕組みがあり、それらの資料から学ぶことも少なくありません。私は電子図書館なども利用しつつ、界面化学、材料力学、粉体工学、光学など幅広い分野について学んできました。
研究開発職は、最先端分野で常に新しい発想と知識で取り組むので、大学の専門分野と就職する企業の専門分野が一致することがベストな選択肢とは限らないですね。就職してからの研究生活の方が長いですし、入社後にどれだけ新しい知識を吸収できるかの方が重要だと感じます。
学生時代に様々な研究をされてきた皆さんがフジミを志望された理由も知りたいです。私がフジミを志望したのは、世界シェアNo.1製品を持つ技術力の高さと、何より職種別採用をしていたことが大きいです。大手化学メーカーでは、総合職採用として入社後に職種が決まる企業も多いですが、フジミは入社時の職種が決まっているので、自分のやりたいことが確実にできると思い入社を決めました。
私は、研究開発に積極的に投資する姿勢や、自分の考えに基づいたやりたいことや、チャレンジをどんどん後押してくれそうな社風を感じたことがフジミを志望した理由です。さらに、給与や福利厚生といった待遇面も良く、社員を大切にしている点にも惹かれました。
私は、長く働き続けたいと考えていたので、半導体という市場の持続性が見込める分野に関わる企業であることと、人生の中で英語を活したいという想いもあり、化学に携わりながらグローバルな仕事ができるフジミは理想的でした。また、選考の中で個性をしっかりと見て、個人として評価してもらえたと感じたことも決め手となりました。
私もY.Uさんと同様、AIやIoTといった最先端デバイスや通信技術など、今後の社会の発展に無くてはならない半導体の製造過程にフジミの製品が採用されているのは強みだと感じていました。また、実は個人的にとても綺麗好きで、シンクや床、窓ガラスなどをピカピカになるまで磨くことが好きだったこともあり、最高品質の表面を創る技術に魅力を感じていました。
実際入社してみて、どのようなときに仕事のやりがいを感じますか?私は開発した新製品に対して、お客様から良い反応が得られた際には、技術者としてのやりがいを感じます。
確かにお客様から良い評価をいただくと嬉しいですね。逆に、「もう少し改善したいね」というお客様からのご要望も、さらに良い製品をつくるための、新たな発見の機会で、開発者としてチャレンジ精神が刺激されてやりがいを感じます。
私も研究が好きなので、ひとつずつ手がかりを掴んでいくプロセスが楽しいですね。研磨という未解明な部分の多い技術に対し、メカニズムや法則の解明に挑戦することにやりがいを感じています。条件と結果はわかっている中で、「なぜそうなるのか」を探れるのは研究者ならではの楽しみではないでしょうか。
私は、研究開発の発見もそうですが、市場調査、実験、量産化、お客様とのコミュニケーションなど、広くモノづくりのプロセスに関わることで、視野の広い一人前の技術者に近づく成長を感じられた時ですね。
フジミの研究開発では、他部門の研究で得られた知見を取り入れ、自らの開発業務に取り入れることができるのが強みだと感じます。全部門の技術者が一同に会し、各部門の研究成果を発表し合う業務報告会や研究成果発表会が定期的に開催され、発表者に個別に質問できる場も設けられているため、より詳しい内容を聞くこともできます。
業務上、秘匿すべきところはもちろんありますが、研究開発を進める中で行き詰まった際に、分析や解析方法などでアイデアを出し合えるのはとても良い風土と感じています。意見や手法が偏らず、さまざまな可能性を考えて業務が進められています。
確かに自分にとって新しい分野を学ぶ際に社内に相談できる方がたくさんいるのはとても心強いです。他分野の方からアドバイスを受けると、新しい発想も生まれやすいですね。
複数の部門と共同で開発を行うこともありますが、その際に、他部門の技術的な強みを感じながら業務にあたるのは楽しいですし、技術者としてとても刺激を受けます。
自身の成長に繋がるような刺激を得られる瞬間は多いですよね。私も、他部門の方々との交流で得た知識や人脈を活かし、国内外ともに、よりフジミのシェアを拡大できるような新製品を開発していきたいと考えています。
世界No.1のシェアを有するシリコンウェハー用の研磨材以外でもまだまだ伸ばすことのできる分野は数多くあります。私も、添加材の機能解明に向けた研究活動を進め、お客様への提案の機会を増やしたいですね。
フジミの強みである半導体以外の分野での売上をもっと伸ばしていきたいですね。その分野を強化できれば、フジミの存在価値はさらに盤石になるはずです。個人的に知識不足と感じる分野の知識をもっと吸収し、研究開発業務に活かしていきたいと考えています。
私は、数年先のフジミの柱となるような新製品を完成させられるよう尽力します。そして、入社当時からの目標である、実験室で完結しない、ものづくりのプロセスすべてを見通せるような技術者へ成長していきたいです。